in陰扉door_novel_2

プロローグ




僕の妹は恋をしている。

僕は妹に恋をする、ではなく。
最近そういう近親相姦の物語が流行っているけれど、実際妹を持つ身としては大変だ。
今までまったく妹のことは女として見ていなかったのに、風呂上りの姿にドキッとしたり
妹の女としての成長に思わず目を逸らしたり
って年頃の娘を持つお父さんか。
多分昔の僕が、今の僕を見たら、迷わず殴っていたと思う。
兄貴の癖に、何妹を色目でみてんだってな。
僕たちは、成長した。
昔とは比べ物にならない位に。
昔は、妹が穢れないように近付く男共は全て排除した。
すべて暴力で片をつけた。
(そのお陰で、僕はめっぽう喧嘩には強くなった)
しかし今は、余り妹のことには干渉しないようにしている。特にそっち方面では。
いつまでも妹を束縛できるわけじゃない。
最終的に女を動かすことができるのは、父親でも兄でもない。
男である。
まあ、それでも少しは、いや大分干渉しちゃうけどね。だって兄貴だから。
それと共に、妹だって成長した。
いつも僕が前に付いていないと、近所も歩けないくらい人見知りだったのに、今では俺の知る中で誰よりも社交的だ。
元々僕も人見知りだったので、あっというまに立場は逆転してしまった。
流石に、妹の後ろでないと歩けないということはないが、用がなければ僕は家を出ない。妹に誘われるなら、まあしょうがない、という感じだ。
それらは、いいことなのかもしれない。
しかし僕らの距離は、少なからず離れてしまった。
理由は分からない。
毎日のちょっとしたすれ違いが重なったからか、それとも決定的な瞬間があったのか。
多分妹も分かっていない。
僕は妹が昔と変わらないくらい好きなのに。
小さい頃は、お互いの気持ちを口に出さずとも読み取れた。
それが今はどうだ?

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