in陰扉door_novel_1

第四章 欲と罪_2 




「剣くんは、どんな事をするのが好きなの?」
ご趣味は何ですか、って、お見合いかよ。
俺は心の中で突っ込みを入れた。
「そうだな・・・読書、かな」
俺は別に苦手ではないがスポーツは好きではないし、これと言って趣味もない。
けれど、本を読むのは嫌いではなかった。
本は色々な知識を与えてくれる。
「本かぁ!なんか意外!」
「そうか?」
「私はねぇ、お洒落をすることが好きなの!」
聞いてねえよ。
けれど自分のことを話したがるのは子供として当然だ。
仕方がない。
「後ね、お裁縫も得意なの。これ、作ってきたから、あげるね!」
そう言って渡されたのは小さな熊の人形だった。
所々糸がほつれていて、けれど針目は細かい、時間をかけて丁寧に作られたということがわかる。
「・・・サンキュ」
「あの、実はね。人にあげたの、男の子にあげたの初めてなの。だから、おかしく、ないかな」
そう顔を赤らめながら途切れ途切れ彼女は聞いた。
「全然。嬉しいよ。本当に」
正直ぬいぐるみは俺には不必要なものだけれど、俺を想って作ってくれたということは、素直に嬉しい。
俺が愛する女には敵わないけど、少し可愛いなと思ってしまった。

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